DTP業界の変遷。

過去9年求人広告の営業と制作を行い、
1年ブランクを入れて今度はシステム屋になりましたが、
その一発目の仕事が古巣のような会社さんのシステム構築の仕事です。
今日その打ち合わせがありました。

MacOS9が残っているのでOSXにしていきましょ
というのが大きなところだったですが・・・
非Macユーザーのために書きます。

●DTP業界の悩み 〜Macintosh新旧交代の悩み〜

革新には痛みが伴います。と某小泉氏のようですが、企業の場合内部を革新するには間違いなく出費という痛みが伴います。経営上は経費として処理できるし、値の張る物は資産計上もできますが、それでも業務の革新という対価がなければ当然ながら出費しません。

DTPで多く用いられるApple社のMacintoshはその上で動作する基本ソフト(OS)の大幅な革新を行いました。その新版OSがMacOSX。
それまでのMacOS9と比較し格段の信頼性向上と他OS(Windows)との接続などの機能向上を果たしました。しかしこの革新では大きな痛みを伴いました。

これまでのMacOS9でのソフトが基本的に動作しません。(一世代前のMacOSX10.4でかつ、CPUがPowerPC系の場合はとりあえずの手段が用意されましたが、最新の10.5からはそのサポートも打ち切られています。)
ですのでDTPで使用する三種の神器であるillustrator,Photoshop,QuarkXpressが動作しないのです。そのためMacOSX対応したそれぞれのソフトの新版の購入をしなければなりませんが、バージョンアップ版でも高価です。

わたしのようなホビーユーザーはソフトを買い換える、バージョンアップすると言っても額が知れています。でも事業所では何台もMacがあるのです。その一台一台正規に買わなければなりません。(ソフトウエアライセンスの遵守は当然の責務です)

でもカネだけなら借り入れて購入すれば解決する話です。
(業界が低価格体質なのでその判断も厳しいですが)

一番の問題は出力機(大判プリンター、印刷所)のMacOSX対応が遅かったという事情があり、仕事のアウトプットである印刷に合わせて仕事をしている都合上一番のネックであり続けているのです。コレにも事情があり非常な高価な物なので価格競争の中、メーカーが対応品を用意してもそうそう買い換えられなかったのです。

印刷屋やデザイン事務所が革新を拒んだわけではありません。格段の信頼性向上は業務効率の向上に直結するので喉から手が出るほど欲しいことです。しかし、現状日々の仕事を低価格でこなさなければならない。そのためには信頼性が劣っていても過去からの積み重ねのノウハウでなんとか現在の環境を活かし続け仕事をしなければならなかったのです。

・・・という事情がある業界なのです。

しかしその状態はとっくに終焉を迎えている。
この業界にいる人間ならそうおもわない人は居ないでしょう。
もうMacOS9の動くMacがラインナップに無くなってから久しいです。
このままでは生き残れない。

WIndowsへの乗り換えも選択肢に入ります。

私は前職でMacOSX化を実行し、完全データ下版の仕組みを確立しました。
昨年からの不況で売り上げは大幅に激減しましたが、低コスト体質に作り替えてあったので内部留保もあり、なんとか人員削減無くやっているそうです。
古巣に先日挨拶に行った際、制作環境の優秀さに社長から感謝されました。
そのためには新環境であるMacOSXに早くから触れている私の知識がフルに生きました。

今手掛けているお客様にも喜んで頂ける環境を。
そうおもっています。

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